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2013年8月30日金曜日

「なぜ?」牛肉にまつわる話 (2)

今回は部位別に牛肉の特性を説明します。


まず、全体像をとらえましょう。

焼肉屋などにも似たような絵がはってあったりしますよね。

簡単にいいます、良く動かす部分は筋肉がはって、肉の旨みが強く、あまり動かさない部分は筋肉を使わないので、脂肪がのり、やわらかい部位と考えられます。

我々人間の体の仕組みと変わりません。肩や足(もも、すね)はよく動かすので筋肉が発達しますよね、だから赤身が強い部分になります。逆に背中の筋肉などは意識しないとあまり使わないですよね?牛で言うロースにあたる部分、だから脂肪がのり柔らかいのです。

図にかいてある「ともばら」と呼ばれる部分は焼肉で言うところのカルビの部分にあたり、一番脂肪がのっている部位になります。

牛肉の中で一番高い部位ご存じですか?

それは「ヒレ肉」の中にある「シャトーブリアン」と呼ばれる部位です、味も柔らかさも超一級品です。

ヒレ肉は一頭の牛からごくわずかしか取れない部位、非常に柔らかく、肉質も良い、赤身肉なので、ステーキにピッタリです。完全にお祝い用です。


ステーキ用として考えた場合、とろける脂肪のおいしさを味わいたい場合は、肩ロースや、リブロース、サーロイン、その中でも肩ロースは肩に近い分、スジが多くはいっているので、焼き前に包丁で筋を切らないと噛みきれないのでひと手間加えて下さい。

ももやランプの部分は肉質が軟らかく、スジもはいってないので、肉の味を味わう場合のステーキに向いています。

すき焼きやしゃぶしゃぶなどの場合は兎にも角にもサシが多く入っているのが条件です。赤身肉でやると肉が縮まり固くなってしまうからです。脂がはいっていれば、身が縮むことはなく脂の口どけも良い感じです。

煮込み料理の場合は、ゼラチン質が多いすね肉やネックを利用するとトロトロの食感を得られます。ももの部分は軽い煮込みに向きます、シチューなどがいい感じです。


このように部位別でみますと、ますます奥が深くなってきます。

とりあえず、結論といたしまして、すき焼きで使用する肉は、用途別に

高級志向で行う場合は「和牛以上のロース肉」

一般的に行う場合は「交雑以上のばら肉」


等が、よろしいかと思います。是非参考がてらに・・・






2013年8月28日水曜日

「なぜ?」牛肉にまつわる話 (1)

皆さんこんにちは!

突然ですが質問です、すき焼きは好きですか?


ほとんどの人は好きー!とい答えると思います、名前もすき焼き・・・良い響きですね。

普段の食生活のごちそうみたいな位置ずけだと思います。

そのおいしいはずのすき焼き・・・ケチって安い肉を買うと大変な事になりますよ!

安い肉と言うのは、ここでは切り落としやもも肉あたりを指します、あと外国産などです。

なぜ大変な事になるかというと、ズバリすき焼きには向かないからです。

牛肉にもいろいろな部位や品種があり、それぞれで適している調理法が違うからなのです。

まず品種から簡単に説明していきます。

一般的にスーパー等で売られている肉は、高い順に松坂牛や能登牛などの銘柄牛、その次に和牛、交雑牛、そして外国ブランド、国産牛、輸入牛とこんな感じになっていると記憶しております。

この違いわかります?国産牛と和牛?交雑牛ってそもそも何?みたいな感じではないでしょうか。

一つずつわかりやすく説明していきます。

まず、銘柄牛はその土地ならではのトップブランド牛たちです。銘柄牛は高いだけあって管理がしっかりなされているので安心のおいしさです。その土地土地で味の特徴がまったく違います。ちなみに能登牛は脂肪の部分がおいしい品種ですので、ステーキやすき焼きなど最高です。


その次に和牛、これは日本の在来種を指します。在来種といっても4種類しかいません、しかもそのうちの95%が黒毛和種=黒毛和牛と呼ばれているものです。和牛はサシ(脂肪)がたっぷりはいっているので、これもステーキやすき焼き、しゃぶしゃぶなどに利用するのが良いです。


ここまではなんとなくわかっていると思います・・・ここからが覚えておくところです。

まず、交雑牛これはですね、意外と良いですよ。なぜなら和牛とホルスタイン(乳牛)を掛け合わせて、和牛とは言えないけど和牛に近い肉にしあげられた牛の事を指します。ですので程良く旨みやサシがあり、リーズナブル、発泡酒みたいなもんです。

次にオージービーフなどのブランド外国牛、これは外国の肉に対する文化が違います、日本は霜降りの入った肉が好きですが、アメリカやオーストラリアは肉の味がしっかりする赤身肉が好きだという点です。だから赤身の多い肉が特徴なのです。肉のとろけるやわらかさよりもぎしぎしと噛んで肉の旨みを味わうのをよしとしている文化なのです。

次に国産牛、これは大体がホルスタイン(乳牛)です、もともと肉を食べるために育てられた牛じゃありません、牛乳をとるための牛です。多分出回っているのはオスだと思いますが、もともと肉用ではないので品質にも限界があると思います。

輸入牛にいたっては安いだけです。説明なしです。

品種だけで言うなら、すき焼き、しゃぶしゃぶみたいな料理なら交雑牛以上、ステーキはとろけるようなステーキを味わいたいなら交雑以上、肉の旨みを味わいたいなら、外国産のブランド牛、焼肉も交雑以上がおススメです。今はあくまで品種からみただけです、これに部位がはいってくると全然話は違ってきますので。

次回は部位に切り込んでいきます。






2013年8月23日金曜日

「なぜ?」料理の考え方について

最初に申しあげておきます、今回は雑談です。


皆さんは料理を作る時何を参考に献立を考えていますか?

最近ではインターネットや料理本などから色々な料理のレシピが出ていますよね、あれを参考にしている方も多いはずです。

そこで疑問なんですけど、その本の通り作って本当においしいものって出来るのでしょうか?

たとえば、トマトやナスを使っているレシピがあったとします。トマトやナスの旬は夏です、もっと突き詰めていけば日本料理の世界では食材に対し、

走り ⇒ 旬 ⇒ 名残

の、3段階で食材の特徴を分けています。

ナスを例にとると、走りのナスは皮がうすく、水分の多い状態です、なので皮ごと油で揚げるのに適していますし、逆に名残になると皮がはり、水分が少なくなる分、果肉がみっちりしてくるので焼きナスに向くようになります。

旬だけではなく、産地や品種によっても味が大きく変わってきますよね。

こんな食材に恵まれている日本にいながら、レシピには「ナス」としか書かれていないのはちょっと嫌じゃありませんか?

本当においしいものを食べようと思ったら、食材の本質、おいしい意味をちゃんと理解しないといけないと思うんですよね。

調味料にしたって「醤油」と書かれても、産地によっていろいろな醤油があり。味も濃いめだったり、香りがよかったり、甘かったりなど色々な特徴がありますよね。

昔の郷土料理などと言われている料理は、その土地のものを先代の方々がいろいろ工夫しておいしく仕上げそれを若い人に伝えていった中ではぐくまれた文化なので、それをよその土地で作ったってとれる食材も違うし調味料も違う、レシピをただマネしたってオリジナルには勝てるわけがありません。

私が言いたいのは便利になるのはとても良い事だと思います、けれど本当のおいしさを忘れてしまうのがとてもくやしいとも思います。見かけだけの料理では納得したくないですよね?

今は素晴らしい技術や科学の力でどんどん料理が解明され発展してる最中の時期です。科学を利用し理論で料理と向き合ったらなんか楽しくないですか?

長くなりましたが今回はここまでです。最後まで読んでいただきありがとうございました。






2013年8月20日火曜日

「なぜ?」食べ合わせの秘密 (3)

今回は旨みの食べ合わせについてです。

日本料理の出汁は基本的に昆布とかつお節からとります。昆布にはうま味成分の素でもあるグルタミン酸がはいっており、かつお節にもイノシン酸と呼ばれるうま味成分がはいっています。


グルタミン酸もイノシン酸も単体で摂取してもおいしいのですが、この二つが合わさりますと、おいしさが何倍にもなって広がります。これはうま味成分同士を合わせると生まれる相乗効果を利用したものです。

このほかにも椎茸に含まれるグアニル酸はグルタミン酸とあわせると旨みがなんと18倍にもなるみたいですよ。グアニル酸は椎茸特有の旨みなので代替することのできない旨みです。

うま味成分から料理を考えていくと意外なおもしろさがありますよ。

イタリアではよくトマトをベースに色々な料理を作っています、トマトは日本では野菜の感覚ですが、イタリアでは日本とは違い料理のベースになっています。

なぜならトマトにはグルタミン酸が豊富に含まれているからなのです、つまり日本人で言うところの昆布と同じ感覚で使用しているという事になります。


じゃ今度試してみようか、と思っても日本とイタリアではトマトの品種が違うので、同じようにトマトを使っても同じ味にはなりません、日本は生食用のフレッシュトマトがメイン品種ですがイタリアでは加工用の細長い品種がメインで使われているからです。


次にたまねぎ、たまねぎは西洋のかつお節と呼ばれているほど、イノシン酸が豊富に含まれており、飴色玉ねぎの出来次第で料理のおいしさが左右される程大事な食材でもあるのです。



西洋料理のトマトと玉ねぎは日本料理で言うところの昆布とかつお節、使う食材は違いますけど料理の本質は同じという事ですね。

鶏もうま味成分が豊富な食材、よくスープやソースのダシに使われていますよね、なぜなら鶏にはグルタミン酸とイノシン酸の両方のうま味成分が入っているからなのです。なかなか経済的な食材です。

こういう観点から日々の料理を考えていくのも楽しいかもしれませんね。






2013年8月12日月曜日

「なぜ?」食べ合わせの秘密 (2)

どうもこんにちわ!暑い日がずーっと続いて疲労感たまってませんか?
それで今回はスタミナupの食材をご紹介をします。


そもそもなぜ暑いとばてるのか?その原因を理解しないことには対処のしようがないですよね。

調べてみるとどうも「ビタミンB1」の摂取が重要みたいなんですよ。

ビタミンB1というのは白米などの炭水化物に含まれるブドウ糖を体内でエネルギーに変える力をもっているみたいで、逆に足りないとブドウ糖がエネルギーに変わらず乳酸に変わり、疲労の原因になるみたいです。そしてビタミンB1は汗とともに流れてしもうので夏の暑い時期は特に意識して摂取しないと不足しがちになってしまいます。

つまり、いくら食べても効率よくエネルギーに変えれなければ意味がないという事です。

それでは今回は特に効果のある4つの食材をご紹介!
それは・・・

豚肉
大豆(納豆、枝豆、豆腐)
パイナップル
オクラ

です!

まずは豚肉、豚肉といっても色々な部位がありますけど一番はヒレ肉です!もっとも効率の良い食べ方はニラや玉ねぎ、にんにくと食べることでそれらに含まれるアリシンと呼ばれる成分がビタミンB1の疲労回復効果を増大させるみたいです。

オススメはニンニクをきかせた豚の生姜焼き!ご飯との相性もバッチリです、あとはカレーも良い食べ合わせだと思います。


次に大豆、大豆は良質なタンパク源でありミネラルも豊富です。しかし一番の利点はあの食べやすさですよね、暑い時期はつるりと生姜やねぎ、ミョウガをのせた冷奴など最高ですよね!あとゴーヤチャンプルー^なども夏にピッタリです。


パイナップルはビタミンB1のほか、ビタミンCやクエン酸を豊富に含んでいます、クエン酸には疲労回復の効果もあるのでダブル効果です!前回も話しましたがパイナップルにはタンパク質を分解する作用がありますので、豚肉など食べた後にとると胃のもたれの心配もありません。

最後にオクラ。皆様もご存じねばねば食材です。あのねばねばに含まれる成分、ペクチンとムチンがタンパク質の分解と胃の保護にはうってつけなんです!ビタミンも豊富にふくまれているのでサラダ感覚で摂取するのがいいかと思います。


まだまだ暑い日が続きますので、皆様体調管理に気を付けて残りの暑さを乗り切りましょう!
近々暑い夏を乗り切るレシピをのせたいと思いますので、それではーお楽しみにー!






2013年8月8日木曜日

「なぜ?」食べ合わせの秘密 (1)

生ハムメロンに酢豚のパイナップル
なぜ?それを組み合わせたの?って言う食べ方が色々ありますよね。


それで今回はそれにスポットを当てていきたいなと思います。

食べ合わせのなぜ?です。

食べ合わせとは単に美味しさにつながる訳ではなく、栄養学的な視点や殺菌などの安全面からも考えられているということをまず初めに申しておきます。

例えば

酢豚のパイナップル


パイナップルにはブロメリンと呼ばれるたんぱく質分解酵素があり、それの作用でお肉が柔らかくなったり消化吸収を助ける役割があるのです。おいしさと栄養学的に良い組み合わせと言うことになります。

しかしブロメリンは60℃以上の加熱で効果がなくなってしまうので、もし火が通っているパイナップルが入っていた場合はただの温かいフルーツってことで、入っている意味がわかりません。

気を付けましょう・・・


牡蠣にレモン


牡蠣は海のミルクと呼ばれる程栄養価に優れた食材です、牡蠣には亜鉛が含まれているのですが亜鉛はなかなか人間の体に吸収されにくく、亜鉛不足に陥ると味覚障害をおこしてしまうそうですよ、その亜鉛の吸収を助けてくれるのがレモンに含まれるビタミンCとクエン酸なのです。
また酸には殺菌効果もあります、がしかし生で食べる場合などは100%安全とは言えないので特に注意が必要ですよ。

上記の例のように食べ合わせにはそれぞれ意味があるという事になります。

その他に日本の食文化には「出会いの物」と呼ばれるものがあります

筍とわかめ


鮎とビール



等が有名どころですね

もしかするとこれらも調べると意味があるのかもしれないですね。

分子間までさかのぼり効果を調べるとまだまだ意外な発見が出来るかもしれないですね。

とりあえず今回はここまでにして色々勉強していきたいと思います。