今回は今やっていることが作業なのか本質を捉えている=料理をしているのか?という話です。
それを日本人に馴染みのある寿司を例題に考えていきたいと思います。
ミシュランで3ツ星をとっている数寄屋橋次郎の主人小野次郎曰く
「酢飯(シャリ)が美味しければ、ネタが普通でも美味しくいただける」
だそうです。寿司を握り続けて50年の職人がそう言っております、私自身もシャリの重要性を実感している一人です。
なるほど、シャリが美味しいと寿司が美味しい、ではうまいシャリとは?
ここからが本題です。
シャリは人肌程度の温度が美味しいとされています。
しかし、それは単に温度だけの問題なのでしょうか?シャリを人肌程度の温度までもっていけばいいだけなのでしょうか?
数寄屋橋次郎さんのホームページでその答えなる面白い文が載っていたので私なりに説明いたしますと
数寄屋橋次郎ではお客様に最高の状態の寿司を食べてもらうために酢飯にこだわり、お客様の来店30分前にご飯を炊き上げるようにしているそうです。
米を研いで鉄の羽釜で炊き上がるまで約60分。炊き上がったご飯に酢を回して冷まし、シャリ鉢に移し、わらびつに入れ保温します。30分くらいすると、ご飯が酢を吸い込み、ひと粒ひと粒の硬さがちょうど良くなり、食べて一番旨い時になるます。この温度が人肌と言うことです。
なるほどですよね!
つまり人肌にしているのではなく、結果として人肌が美味しいと言うことです。
いつもやっている些細なことでもその仕事の奥にある本質を理解するかしないかが、出来る人かそうでないかを分ける事になりそうですね。
まとめると人肌の温度にシャリをもっていく、それ自体はただの作業です、ただ型にはまっただけのつまらないものです。それが相手に美味しいものを食べせてあげたいという思いで、炊きたてのご飯を炊き、酢を回し、少しなじませて最高の酢飯を作った、そのタイミングがちょうど人肌の温度と一緒だった、という事になりますと、同じ人肌の温度のシャリでも天と地ほどの差が表れてくると思います。
さて、皆さんはどう思われますでしょうか?それでは。。。
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