協力

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2013年11月19日火曜日

藁で燻るー赤身肉の新しい可能性ー

肉の美味しさ、日本人ならステーキに代表されるような霜降りのはいった肉を想像すると思います。けど外国では肉の味のしっかりする赤身肉の方が人気があります。

今回はどっちが美味しいか?

という議論ではありません。赤身肉にしぼってのテーマです。

赤身肉は筋肉です、よく動かす部分が味が濃いと言われております。中でもハンバーグなんかに使われるスネ肉は一番味がしっかりしています。

しかしスネ肉はスジが多く、一つ一つのスジが固くて太いのがネックです。ではどうするか?

スジ肉の煮込みみたいに何時間も煮てみる。

これじゃ、スジは柔らくなって食べれるかもしれませんけど、肝心の赤身の部分はダシがらのようにぼさぼさになって、旨みもなにもないただの塊になってしまいます。

では、どうするか?

手間はかかりますけど、スジを丁寧に取り除けばいいだけなんです。案外簡単なように思われるかもしれませんけど。結構な手間がかかりますし、包丁が切れないとまず出来ません。

やり方は、でかいスジの端っこうを魚の皮をひくかのように、包丁を滑らせれば案外きれいにとれます。スジをこそげるようなイメージでやると良いです。

そして、この濃い味の赤身肉をさらに日本料理のアプローチで美味しさを引き出していきます。

そのアプローチと言うのが「カツオのタタキ」で使われる藁で燻す(わらでいぶす)と言う技法です。

赤身肉に含まれる鉄分や血の酸味が藁で燻す事によって、特有の風味に変わり、だしのような美味しさに変化します。

口に入れると、燻製のような風味が口に広がり、肉の旨みがしっかり感じられ、スジを取り除いているので雑味がまったくない、新しい赤身の可能性にたどり着くことが出来ます。

その赤身肉を応用して作られたのがグーフォの

「能登牛プレミアムハンバーグ」です。


是非一度、味わってみて下さい。まったく新しいハンバーグになっております。


2013年11月11日月曜日

材料の拵え方に関する話

今回は雑談です。

最近料理を作っていると、あることを思いながらつくっています。

料理は材料8で包丁が2、これは魯山人がいった言葉だと思います。

ここで言う包丁とは料理人の技術を指していると思います。

料理はつまるところ産地と鮮度が重要だという事です。ここを心底理解しないと美味しい料理は作れないと最近すごく思いますね。

素材の特性を知り、その素材の可能性を引き出してあげることが大事なのです。

例をあげるなら大根おろし。

大根と言う同じ素材の中からでも葉に近い部分は甘く、下の部分にいくにつれて辛くなっていきます。

何を言いたいか?同じ大根おろしでも部分によっては、甘い大根おろしでも、辛い大根おろしでも作れるという事です。

次におろし方、粗いおろし金でおろすか、細かいおろし金でおろすかでもまったく印象がかわってきます。

そして品種、大根一つといっても、多種多様な品種があります、一般的な青首大根に辛みが特徴の辛み大根、中まで赤い紅芯大根、石川県なら源助大根等々

大根おろしという単純な調理法ひとつとっても色々な考え方が出来てくるわけです。

ぶりの刺身に合わせてみようと言うときは辛みのつよい辛み大根をワサビの代わりに添えてみたり、きのこを柚子おろしで食べてみようというときは甘みの強い細かめで口当たりがやさしい大根をつかってみたり。

そう考えていくと、材料の吟味、拵え方がとても重要な要素だという事に気づけます。

何が言いたいかと申しますと、料理の根本は素材を見抜く力とその使いどころを間違わないこと。理を料るという事です。






2013年11月5日火曜日

昆布の種類、旨味の違い

今回は日本料理の中で重要な役割をはたす出汁!

その出汁をとる時に必要不可欠な昆布についてです。

昆布と一口にいっても数多くの種類もあれば産地でも大きく品質は変わってくると思います。

今回は品種別に旨み成分の違いを説明したいと思います。

一般的に使われる昆布は

真昆布、ラオス昆布、利尻昆布、日高昆布の4種類だと思います。

そしてここから、それぞれ収穫される浜によって格が決められており、葉の形や光沢などから1~6等までの格付けがされているんです。

ちなみに約95%の昆布が北海道産です。

昆布は出汁の取り方でも大きく味は変わってきます。ここではまず種類について説明します。

●真昆布は昆布の中で一番うま味成分を多く含んでいます、しかし組織がかたいので長時間ゆっくり煮出さないと完全には旨みを抽出できません。

(長時間ゆっくり煮出すというのは、60℃のお湯で一時間昆布を煮出す方法です。これは科学的にみてうま味成分が一番抽出でき、かつ雑味があまりでない煮出し方なのです。)

味はごく淡い色で甘みのある出汁がとれます。バランスが良い感じです。

●次にラオス昆布、2番目にうま味成分が強い昆布、ですが真昆布と違い組織が柔らかい為、真昆布より旨みが出やすい、しかしぬめり成分やにおいも出やすいです。

味は濃いです。煮出し過ぎるとすこし主張が強いだしになります。煮物向けかな。

●利尻昆布はすごく上品な味がでます。ほのかな甘みがあり、日本料理でいうとお吸い物用の一番だしには最適なように思えます。

素材の淡い味を引き立たせてくれるような、クセのないクリアな味わいです。

●日高昆布は、出汁が濁りやすいです。ほかの昆布に比べると甘みが少なく。においも磯の香りが強い印象です。

日本料理では、出汁がすべての基本になるのでその基礎をしっかり覚えておくと便利です。
ちなみに出汁は昆布で旨みをだし、かつお節で風味をとる。これがポイントです。