協力

協力

2014年5月27日火曜日

「石鰈」「だるま鰈」と神経締め

こんにちわ、今回は活の石鰈とだるま鰈が手に入ったのでご紹介します。


石鰈とだるま鰈、聞きなれない方の方が多いと思うのでご紹介いたします。

上の写真のものは石鰈、有眼側にある石状の骨板が名前の由来。関東、とくに東京湾で釣れるものは珍重されるみたいで、大型のものになると座布団かれいと呼ばれているもの。
刺身やすし種、煮付けなんかにすると美味しい魚です。


次に石川県ではだるま鰈と呼ばれているもの。辞書で調べてみると正式名称は「ババカレイ」、特徴としてはウロコのかわりに大量の粘液が体を覆っている点。さわるとぬるぬる・・・
このため北日本では滑多(ぬめた)鰈と呼ばれているみたいです。

おもに煮付けが一般的なのですが、春の抱卵魚になると高級魚の仲間入り。高級なちくわの原料にもなったりします。おもに火を通した調理に向く魚みたいですね。


それではこの2匹を神経締めにしていきたいと思います。

まず用意するものは氷水、氷水の温度は1℃から0℃、普段泳いでる海が11℃前後だとして、一気に10℃も冷たい水にドボンといれて、鰈に低温ショックを与えます。


鰈は最初「なんだか、寒いなー」と言う感じ、


それから、だんだんと呼吸がゆっくりになっていき冬眠状態に


目もなんだかトロンとしてきて朦朧状態に、「なんだか眠くなってきたなー」

この状態が続くとそのまま死んでしまいます。この朦朧状態の時に氷水からそーっと取り出して。


尻尾の方をバツン!と落とし大量出血させます。これは血抜きをするためです。魚の中に血が残っていると魚の美味しさが100%引き出せません。


神経締めのセット、下の針を魚の神経に差し込み、神経を破壊します!


頭の方もバツンと落として、骨のちょい上の方にある神経に針を差し込みます。


差し込んだら、針を前後に動かし神経を完全破壊。鰈は死んでいるのに神経がないため脳からの伝達がまだ筋肉に伝わたってなく、筋肉自体が死んでいることに気付かない、これが理想的。

ここから水洗い、この水洗い以降、鰈には水を一切つけません、水が身に触れるとそこから「死んでいる」ことに身が気付いてしまうからです。

ここから熟成の工程に入るのですが、ここまでの処理をしてから熟成にするのと、ただ水洗いして熟成にするのとでは天と地ほどの差があります。料理は科学か・・・

それでは今回はこの辺で、お疲れ様です。

2014年5月10日土曜日

「長崎」済州島のサバを〆る

こんにちわ、今回は良いサバが手に入ったのでご紹介いたします。


長崎済州島沖(採っている海流は長崎、韓国と変わりありません)の1キロアップのサバです。石川県の中央市場でこの日1番と言うサバ!身はがっちりとしておりまるで冷凍してあるんじゃないかと言うような身の閉まり具合。肉厚で見た目で最高なのが伝わってきます。


ヒレがアンバランスに小さい、ヒレが小さいと言うことは回遊してない地付きのサバってことなのかな?

早速おろしてみたいと思います。


おろしている時点から包丁に脂がしっとりとのるのがわかる。身はバチバチ、なんでこんなにも違うんだろうか?同じサバなのに産地によって全然別物のように違う。人間でも日本人とアメリカ人の体格が違うようにサバも厳密にはもっと細分化できるのかも知れない。



うーん良いサバだ!

今回は状態をみて1時間50分塩をしてから酢に1時間つけて、処理完了!

最近思うことはどれだけ素材と向き合うか、素材のレベルが高ければ高いほど、作り手のレベルも高いものが要求されてきます。作り手のレベルと言うのは単に技術だけではなく感性や直感などの本質を見抜く目も重要で、むしろそっちの方が重要な場合が多々あります。

サバにしても一本一本、重さも脂のノリも違うのに同じ時間の塩、同じ量の塩で良い訳がありませんよね?そういったことを追及していくと可能性と言うのがどんどん広がっていくと思いませんか?

これからは真摯に素材と向き合っていきたい。いつもそう思うんですがなかなかそうは出来ない。難しいです・・・

それでは今回はこの辺で、お疲れ様です。

2014年5月8日木曜日

石川県山菜の旅「ウド」を摘む!

こんにちわ、今回は山菜の旅第2弾!

狙うはウド!

ウドは山菜の中でも山の上の方まで行かないと、なかなか採ることが出来ません。自然が荒らされてなく、日当たり、良い水があるところにあるのかな?

そもそも見つけても崖の途中に生えていたり、急な斜面なんて当たり前、それを命綱なし
カマ一本で採取します・・・値段が高い訳だな。


とりあえず、山に突撃!

舗装されてない道なんて当たり前さ!


とりあえず景色はいいです!もうホントに落石やらぬかるみやら色々な試練を乗り越えないとなかなかたどり着けない、車の横はすぐ崖!柵なし!途中何回死ぬかもと思ったことか。

しかし最初の山には目当てのウドがなく、泣く泣く撤退・・・ぶぁっかやろーーー!

山の住人曰く、ないのは仕方がないことだそう、行くタイミングが重要みたいです。

そして別の山にアタック!

車を走らせること20分ほど・・・山は頂上に行くにしたがってまだ雪がちらほら残っている状態。

そして見つけました!


ウド!

あんただよ!

あんたを探していたんだよ!車はおかげさまで泥だらけさ、ははは!

ひょこひょこ地面から生えています。写真じゃわからないかもしれませんがこれ山の斜面の上の方に生えているんです。


こんなでかいウドもあります。ここまでデカくなると皮が固いので剥いてから調理します。

今回の旅はちょっと不作・・・思った以上の成果はでませんでした。やはり自然相手は難しいですね。

まぁでもオチはここからなんです。

家に帰って台所にとってきたウドを置き、疲れて部屋に戻って、3時間あたり仮眠したんでしょうか?疲れもとれ早速ウドでも食べようかなーと思って台所に行くとウドが消えてる・・・

「あっれー」

おかしいなと思いましたよ。

そこにおかんが来て一言

「隣の人にウドあげたわよ」

なめてんの?

こっちは命がけやぞ・・・と心の中で数回連呼したあと、これも自然のきびしさかなと・・・さすがに思えませんでした。

それでは今回はこの辺で、ばかやろーと言う気持ちのまんまお疲れ様です。

2014年5月4日日曜日

筍の新しい可能性を探る!(2)

こんにちわ、今回は前回の筍の処理、その結果をご報告いたします。


まずは備長炭を入れて茹でたもの。備長炭との化学反応・・・あまり効果はなかった。
蒸したものも同様に効果がない、旨みが抜けている感じがどちらともした。やはり水と言う媒体に旨みを持っていかれているのだろうか?えぐみも感じられた。


お次はオーブンで300℃、約30分加熱したもの。


皮はご覧の通りバリバリに焦げてますが、皮をめくると・・・


中身は問題なさそうだ!

さてこのオーブンでの処理、一つは乾いた温風、もう1つは蒸気を含んだ温風で加熱したんですが、若干乾いた温風の方が旨み、甘みが強かった。乾いた温風の方が水分が凝縮される分、旨みが強く感じられるだけなのか?

えぐみも茹でるより感じない。

今回30分加熱したんですが、中までちゃんと火は通ってなかったな・・・


お次が直焼き、こやつも30分加熱


黒っ!

でも、中身はオーブンと一緒で大丈夫!食べると旨み、甘み、香りが強い!えぐみもない!オーブンとの結果からみても水を使わない方が筍の味を堪能できることがわかる。これは美味しい!

塩をつけて食べただけでも十分旨い。これもオーブンと一緒で30分の加熱だけだと中までしっかり火がはいっていないな・・・


お次は180℃で揚げたもの、こんがり揚がりました!


中身はきれい、水に比べると旨みは残っているが香りなどは直焼きより落ちている印象、これは20分の加熱。中が若干白っぽいのが写真でわかりますか?これは生の状態、中までしっかり火が通っていないんだな。


最後に急速冷凍、なんじゃこりゃ!?カチンコチンです。

これはしばらく冷凍で保存しておいてから食べてみたいと思います。

今回の結果から水を使わない方が筍の味を強く感じられる事が判明、えぐみもないので処理の方法としては格段に良い。これを料理するとどうなるか?


備長炭を入れて炊いてみました。

炊いても直焼きの処理をしたものの方が、甘くてえぐみもなく旨い!なかなか良い発見をしたな。

あとは焼き加減と余熱の時間を計算して、筍にベストな火入れ加減さえ見つかれば、もっと良い処理方法になると信じます。

それでは今回はこの辺で、ご馳走様です。


2014年5月1日木曜日

筍の新しい可能性を探る!

こんにちは、今回は筍の魅力、その可能性を探ってみようかなと思います。

前回の筍では十分な結果を残せなかったので・・・前回は掘ってから3時間で直焚き、たべるとえぐみが残る、しかし筍の持つパワーは感じられた。そんな感じでした。

なので今回は車を高速で走らせてとってきましたよ!

筍ちゃん!!

色々な山菜を泣く泣く無視して、とってきましたよ!

筍ちゃん!!!


今回はあんただけが主役やでー

この写真は前回のものです、今回は時間を気にしすぎて写真に収めるのを忘れてしまいました。
今回こそはあなたの持つ魅力を引き出してあげたい。

そんでもって今回は掘ってから1時間以内です!もうこれ以上ないってぐらい、そんでもって処理を施します。筍の成長を止めてやります。筍は掘られてからの成長とともにアクが出てきます、掘ったばかりの筍はえぐくないんです、筍の刺身と言う料理もあるぐらいです。

しかし筍はすごく成長が早い!これは前回で立証済み。

それで今回はたくさん取れたのでいろいろなパターンで処理をしてどれが一番良い処理(成長を止められ、かつ筍の旨みをどれだけ残せるか?)なのか実験してみたいと思います。

全部で7パターンの処理を施しました。


まずはシンプルにゆでる、茹でるといってもただの水じゃない、備長炭を水に忍ばせて筍と備長炭の化学変化を期待したもの。備長炭を入れると水が中世からアルカリ性に変わるので筍に対してどう反応を示すか・・・


次のパターンは蒸す、水の中と違い水に成分が溶け出すことがなく皮の中を蒸していくと仕上がりがどうか?アクは残るのか?


次のパターンはオーブンを使っての高温加熱、2本試して1本は300℃の乾いた温風、もう1本は300℃の蒸気を含んだ温風、これに違いは出るのかな?


どんどんいきますよー!お次は直焼き、こいつだけ試しに土付き、あえて土を洗わなかったです。焼くことでどう仕上がるか。


そんでもって、180℃の油で揚げちゃいました。水と違い高温の油、そして油の成分がどう筍と反応を起こすか?


最後のパターンが一番面白そう、-40℃で急速冷凍、もう凍らせて成長を止めてみようという魂胆、押してダメなら引いてみろみたいなもんですわ!

従来の方法だと(ぬか+鷹の爪)筍の魅力が100%いかせない、本当に旨い筍の処理を探し出すためのに今回はこの7パターンで実験開始!しかし断っておきますけど、これは掘ってから1時間以内だから出来る処理の方法です。一般に売っているものはすでにアクが出ていますからちゃんとしたアク抜きが必要です。

私がやっているのはその前の段階、アクが出る前にどう筍の成長を止めるか、それにはどんなアプローチが良いのだろうと言うことなので、普通の売っている筍には応用できないと思うのでご了承ください。

今回はここまで、次回にやってみての感想を述べていきます!それではお楽しみに!