協力

協力

2014年3月31日月曜日

赤カレイを食す! (2)

こんにちわ、今回は赤カレイを食す第2弾です。前回は刺身にしたので今回は煮付けにして食べてみようかと思います。

そもそも赤カレイって何!?

って方の為に赤カレイの概要をサクッと紹介いたします。


赤カレイと言われる所以は目がついていない裏側が内出血したように赤いのが特徴な為です。この赤いのが鮮度を見極めるポイントでもあり、鮮度の悪いものは赤いのが消え白っぽくなります。

秋から春が旬で、昔は惣菜魚として人気があったのですが、近年ではあまり出回らなくなりスーパーではあまり出回っておりません。魚屋などでは購入可能です。

赤カレイはカレイ独特の匂いが薄く(カレイの匂いは皮が原因です)鮮度が良ければ刺身にして美味しい魚です。しかし鮮度が悪くなるのが早いのが難点。これがあまり出回らない理由みたいですね。

煮付けにしても大変美味しい魚です。ってことで煮付け作ってみました。


まずはカレイに切り込みを入れます。これは火を入れると身が膨らみ皮がはり、その皮が弾けて見た目に悪くなるので伸縮性を持たせ仕上がりの見た目を良くする為に入れるものです。

煮付けはのポイントを押さえると美味しくなります。

ポイント1は新鮮な魚を使用すること、当たり前ですがやっぱり魚が美味しくなくちゃ煮付けも美味しくありません。

ポイント2は短時間で仕上げるです。家庭で作るものは水から作る事が多いのですが、それではせっかくの魚の身が痩せすぎてしまいます。

それでは作っていきましょう!


(簡単な煮付けの地の作り方)
 
醤油 1
味醂 1
砂糖 醤油に対して3分の1の量

※ 例えば醤油を90ccのお玉1杯を使った場合砂糖は30cc(お玉の3分の1まで入れます)

調味料だけを合わせて火にかけ沸騰させます。これがポイント2、沸騰したところに魚を入れることで煮え過ぎを防ぎます。


煮汁は多すぎるともったいないので魚が浸かるぐらいの量にします。そうすると上側は煮汁が当たらないじゃないか?と思われる方もいらっしゃると思います。

こんな時のための昔からの知恵があります。

そう・・・落し蓋をするのです。


鍋にぴったりの落し蓋がない場合はアルミ箔で代用できます。こうすることで中で水分が対流し全体に煮汁が回ります。煮崩れも抑えることができます。


魚を入れてから5分程煮ました。

ここで仕上げのアクセントに


実山椒を3g程入れます。これが美味しい!横の鍋の吹き上がりを見ていただけるとわかると思いますが少ない煮汁でも十分魚に煮汁が回ります。

実山椒をいれて約1分程煮ますともう完成です!


所要時間6分!早くて旨い!最高ですよ!

皆さんも良い赤カレイが手に入ったなら是非作って見てください、ほっぺた落ちますよ!

それでは今回はこの辺で、ご馳走様です。

2014年3月30日日曜日

包丁の手入れの話

こんにちは、今回は自分の包丁が使用するにしたがってくすんできましたので包丁の手入れを行いたいと思います。


修行時代に買ったものです。石川県には包丁屋さんが少ないのが残念、加賀料理が発展してきたのならもっと包丁屋があっていいものなのにない!最近公開の加賀藩の武士をテーマにしたものも「包丁侍」なのに、肝心の包丁屋が少ないんです・・・

それはおいといて、

包丁の手入れを行っていきたいと思います。ちなみに上の画像、左から薄刃包丁、柳刃包丁、出刃包丁、小出刃包丁です。


使用する砥石です、左からなかどう砥石、仕上げ砥石です、一般的に目の粗いものから細かいものの順に包丁を研いでいきます。仕上げの方が目は細かいです。


まずは小出刃から研いでいきます。結構くすんでいます。魚の脂がつくと切れ味が落ちていきます。



研ぎ方のイメージは魚をおろすときや物を切るときのモーションをイメージしながら。刃は立てすぎず包丁の線を意識しながら研いでいます。

なかどう砥石である程度刃を出したら仕上げ砥石に移行です。



仕上げは紙やすりを使って包丁を磨いてあげます、紙やすりの中でも結構細かいものを使用しています。

そして、磨いてあげると・・・


ピカピカになりました!

これをもっともっと繰り返していくとまだまだ輝きますよ、最終的には鏡面を目指します。

お次は柳刃・・・



こちらもピカピカになりました!こんだけ光っていると切るとき気持ちの良いものです!


最初の画像と比べるとくすみがなくなったのに気付くと思います。今回薄刃包丁は時間がなかったので次回に持ち越しました。

料理人にとって包丁はパートナーみたいなものです。包丁の切れ味ひとつで料理が生きるか死ぬか、そういった問題でもありますので道具を大事にするのは大切ですね。

それでは今回はこの辺で、お疲れ様です。

2014年3月29日土曜日

赤カレイを食す!

こんにちわ、今回は赤カレイが手に入ったので刺身と煮付けにしてみたいと思います。


今回の主役です、サイズ的には500gぐらい。上のものの方が形、身の締まりが良いので刺身にしていきたいと思います。


5枚おろしにしました。


部位が5枚になるから5枚おろしと言います。

皮をひいて・・・


甘塩をします。(これはいつぞやの記事で伝えた魚の処理の仕方です。魚から水分を出すことで嫌な匂いが抜け、身も締まります)


ここから1時間放置しておきます、水がたまるかもしれないのでバットは傾けておきました。

1時間後・・・


表面に水分が浮き出てきました。

んっ!?わかりづらいぞという方の為に給水シートでどれだけ水分が出ているか吸い取ってみました。


こんなに出てます!こうした処理をするかしないかで魚の美味しさはまったく変わってきます。

保存しておくときはリードなどにくるみ魚が空気にあたらないようにします。ヒラメでも試した通り真空にしてあげると保存期間が劇的にあがります。


ここまでが仕込み段階です。

さてここから刺身にして食べてみます。今回もそぎ切り、へぎ切り、平造りの3パターンで食べてみました。


上から時計回りにそぎ切り、へぎ切り、平造り。

もっちり感は平造り→そぎ切り→へぎ切りの順番、へぎ切りはもっちり感はないが噛み切りやすくサクサク食べれ軽い食感、平造りは筋がやはり気になるところ。へぎ切りも筋のところから噛み切っている感じ。バランス的にはそぎ切りが1番良さそうだな。カレイは脂はないが旨みは強い。1口目から旨いなぁ。ここがヒラメと違う点だな。身もやわらかでした。

それでは今回はこのへんでご馳走様です。

2014年3月28日金曜日

平目の真空保存と繊維に対する切り方

こんにちわ、今回は平目の真空保存の話です。


これは20日に市場から取り寄せた佐世保の平目、脂がのっており噛むたびに昆布みたいな旨みが広がり美味しかった。この平目を21日に真空包装して約3℃の温度帯で1週間寝かせてみたものです。

魚からのドリップにより巻いてあった給水シートには魚のいやな匂いがついており、結構ドリップした事が伺えます。


身の感じは1週間たったとは思えない、多少身はのびていましたが弾力は残っていました。見た目も問題なさそうです。さて味はどうかな?

まずはそぎ切り・・・
(日本料理にはそぎ切りとへぎ切りと言う切り方があり、区別は難しく個人や本によって呼び方はまちまちですのでこのサイト内ではそぎ切りは皮目を上にした切り方、へぎ切りは皮目を下にした切り方と統一します)




日本料理では、そぎ切りやへぎ切りは白身魚なのど繊維や弾力が強い魚によく用いられる切り方です。面が広くなるので舌の上でも旨みを感じやすくなります。


切り終えた断面です。繊維的には平造り(後から出てきます)と同じ繊維の形、ただし舌にあたる身の部分は多いです。

次はへぎ切り(皮目を下です)




最後に角を立たせて上げるために包丁を立てて身を切り離します。


へぎ切りの断面、そぎ切りは木の年輪を半分にしたような繊維の並びに対し、へぎ切りは縦に繊維が入っています、繊維が縦に入っているので食べたとき繊維(すじ?)が口の中に少し残りました、これはしっぽにに近い部分だったのでなおさらだったのかもしれません。しかし縦に入っているので理屈としては噛み切りやすいと思います。

最後に平造り。





わかりづらいですが、そぎ切りと同じ繊維をしています、切り方の違いは包丁の傾きだけです。平造りは繊維が残り易いので、肉質が柔らかい赤身魚に良く用いられます。


並べて比較、左から平造り、そぎ切り、へぎ切りです。

食べ比べての感想は身のもっちり感は平造りが一番、平目は弾力が硬いので普通平造りに向かないのですが、今回は寝かせることで身が熟成され柔らかくなったため身の性質が変わり平造りが適するようになった感じ。切り方ひとつ、素材の選び方ひとつで同じ平目でも違った顔をする・・・料理は深いですなぁ・・・

今回はここまで、読んでくれてありがとうございます。

2014年3月26日水曜日

「しらすご飯」ガストロノミー構想

今回はしらすご飯をガストロノミー的にアプローチしたらどうなるか?という構想の話。


まず肝心のしらす、しらすにも色々種類があり生しらすから、それを茹でた釜揚げしらす、そこから干したちりめん、味付けをしたちりめん山椒などなど。

(釜揚げしらす)


形態はいろいろありますが、共通するものはしらすはイワシの稚魚だということこの一点です。


しらすがいわしなら、ごはんの出汁もうるめ節(うるめいわしで作った鰹節)を使用し、いわしの旨み満載のご飯を作ろうじゃないかと思います。


※60度で1時間煮出した昆布にウルメ節で出汁をとったもの

いわしだけのご飯、どーもパンチが足りないな・・・


しらす漁は大体5月中旬ぐらいから、その時期になると梅も出始める時期、いわし×梅・・・日本のおかずに「いわしの梅煮」と言う調理法が昔からある、つまり相性が良いと言う事、現にじゃこご飯なんかをお店で頼むとじゃこと大葉が混ざったものがでてくる。梅の香りがポイントのようだな。

※三つ葉等の青物の火をいれると色がとびます

後は見た目的にも緑がほしいところ、緑もこの時期旬を迎える三つ葉を活用してみよう。よしこれで理ははかれた!

完成のイメージはいわしの旨みをたっぷり味わえる梅香るご飯、アクセントに三つ葉の緑が映える仕上がりだな。

ここまでが構想、ここからしらすや梅に対してどうアプローチしていくかな・・・と言うのがおもしろいところ。
(ちりめん山椒の作り方)
しらす 100g
酒 70g
醤油 30g
砂糖 15g
実山椒 4g

1、まず調味料だけ沸かします


2、沸騰したらしらすを入れます
※この時あまり掻き回さない方が良いです、入れ始めはしらすが脆いのでかき混ぜすぎると崩れてしまいます。


3、煮詰まってきてら箸でやさしくほぐしながら、完全に水気を炒りつけて完成です。

今回はここまで、近日中にこの構想を現実にしたいと思っておりますのでその日までお楽しみに!